物理世界を対象にした
AIモデル開発
ARATAMA Factoryは、物理シミュレーション・計測・制御の知見を土台に、AIを実世界のエンジニアリングへ組み込む開発を行っています。自社開発のシミュレーションAIプラットフォーム「SIMABLE」と、生産現場に導入してきた独自予測モデルの実績をまとめています。
SIMABLE
物理シミュレーションAIプラットフォームSIMABLEは、AIを用いて解析の設定から実行・評価までを支援する、ブラウザから使えるマルチフィジックス解析プラットフォームです。構造・熱・流体・電磁気など33の物理領域を、実務で使われる複数系統のオープンソース解析エンジンで実行し、解析解に基づく検証ケース(線形問題で誤差1%以内)で品質を担保しています。
SIMABLEの中核は、解析ライフサイクル全体を操作できるツール使用型AIエージェントです。「この形状の温度分布を解析して」という一つの指示から、CADジオメトリの自動生成(生成→計測→自己修正のループ)、物理条件・材料・境界条件の設定、メッシュ生成、解析実行、結果の解釈・レポート出力までを30種の解析操作ツールで一気通貫に実行します。
- 画像・PDF・CSVを読み取るマルチモーダル入力(実験データや図面からの解析設定)
- 発散した解析を自動診断し、数値条件を安全側に切り替えて再実行する自己修復機構
- パラメータスイープ・最適化・データ同化などの計算資源を消費する操作は承認制で実行
- サロゲート構築・逆問題推定・システム同定をエージェントから直接呼び出し可能
実行した解析の結果からAIサロゲート(代理モデル)を自動構築。次の設計案は解析を回さずに即予測でき、設計探索・最適化・実測データとの融合へループしていきます。
収束をAIがオンライン判定し、無駄な反復を自動で打ち切り(同一CFDケースでの実測)
AIベイズ最適化が次に試すべき条件を選び、少ない試行で目標に到達(目標との誤差3.3%・実測)
一度解析した結果はAIサロゲートとして学習・蓄積
サロゲート構築後は、新しい設計案をソルバーを回さずに即時予測。設計検討のたびに解析待ちが発生しません。
※ 自社検証環境での実測例です。削減効果は解析対象・条件により異なります。全探索の解析回数は2変数×各10水準の場合の比較です。
流体・電磁気・熱と、物理領域の異なる解析を同じプラットフォーム上で実行した実例です。

化学プラント内部の3次元流れ解析。流線の色は流速を示し、装置内の旋回流と偏流を可視化

ネオジム磁石(N52)まわりの磁束密度解析。ベクトルで磁場の向きと強さを表示

反応を伴うプラント内の温度分布。3方向の断面と等温線で高温域の広がりを把握
Physics AI Models
物理AIモデル群(自社開発)SIMABLEには、シミュレーションと実測をつなぐ物理AIモデル群を自社実装しています。
解析結果から設計パラメータ→物理量の代理モデルを構築し、不確かさ付きで即時予測。期待改善量(EI)に基づくベイズ最適化と能動学習に接続。
解析スナップショットから全節点の物理場を低次元化し、未計算の設計点における温度場・流れ場などの空間分布を瞬時に再構成。時系列はDMDでモード分解。
メッシュ解像度に依存しない「関数から関数への写像」を学習する物理AIモデル。設計パラメータ→物理場、係数場→解場の演算子学習。
多正弦波加振した1回の過渡解析データから状態空間モデルを同定。同定した部品モデル同士を結合したシステムシミュレーションと、実解析ゼロ回でのシステム最適化に接続。
センサ実測値とシミュレーションを統計的に融合し、実物の状態を推定。少数の実解析からROMでアンサンブルを安価に生成する構成が特長。
センサ実測から材料物性などの未知パラメータを事後分布として推定。点推定ではなく95%信用区間つきで返す。
解析中の残差系列から収束・発散をオンライン判定し、収束済みの解析を自動で打ち切り。統計ノイズを含む結果は不確かさ重み付き平滑化で改善。
Models in Production
生産現場に導入した独自モデルお客様の現場データと業務に合わせて構築し、実運用まで定着させた独自モデルの実績です(受託・共同開発)。
過去の出荷実績と外部要因を組み合わせた需要予測AIを構築し、配車・在庫補充計画の立案ツールとして業務フローに組み込み。予測根拠を現場が確認できる設計で段階導入し、計画業務の工数削減と欠品率の改善を実現。
製造条件データと物理・化学の原理原則の両面から品質ばらつきの原因をモデル化し、生産方法を改善。製造データを活用するIoT/WEBシステムまで導入し、品質ばらつきを1/10に低減、電極寿命を3倍に改善。
実測データから機械の物理パラメータを同定し、動作と熱の挙動を再現するモデルを構築。モデルを土台にAIでパラメータ最適化を行い、試験を繰り返さずに設計・運転条件を探索できる環境を実現。
雑音環境下で狙った音声を抽出する音声処理AIを、信号処理との組み合わせとモデル軽量化により限られた演算資源の組込み機器で安定動作させ、製品搭載レベルの認識性能と応答性を両立。
センサ構成の選定からエッジでの認識モデル、動作計画までを一体で設計。シミュレーション環境で学習・検証してから実機へ展開するパイプラインで、変化する実環境での安定稼働を実現。
散在する設計文書・不具合報告を整理し、生成AIで検索・要約できる社内ナレッジ基盤を構築。技術伝承と問い合わせ対応の工数削減を同時に実現。
SIMABLEは現在、パートナー企業向けにWebアプリケーション(セルフホスト形式)として提供しています。生産現場向けの予測モデルは、受託開発・共同開発の形でお客様ごとに構築します。デモのご依頼・協業のご相談はお問い合わせください。